A;赤トンボは21種類います。それ以外に赤っぽいトンボがいます。特に、夏から秋にかけてゴルフ場や田んぼの上でよく見かける橙(だいだい)色のトンボがよく赤トンボと間違えられます。つまり、夕陽に照らされて赤っぽく見えたりしますので間違えられやすいのだと思います。また、ナツアカネやマユタテアカネもよく見かけますが、間違えないようにして下さい。

A;なぜアキアカネを救おうとしたか、その理由は、「赤とんぼ米とは?その1」の中の”なぜアキアカネなのか?”をご覧下さい。しかし、私たちはアキアカネだけを救えば良いとは考えていません。田んぼで暮らしている他の水生生物も大変重要だと思っています。ただ、あれもこれもという訳にはいきませんので、基本はアキアカネに重点を置いています。しかしながら、実際に私たちの農法の田んぼと、従来農法での田んぼのそれぞれの水生生物を比較調査を行ないましたら、私たちの田んぼの方が種類も数も多く、また実際にシラサギが舞い降りて来てエサをついばむ頻度が大変多いという結果になりました。ですから私たちの農法を広げられたら、水生生物全般が昔のように豊かになる可能性が高いと思っています。

A;アキアカネが減った原因については、「赤とんぼ米とは?その1」の中の”アキアカネが激減した原因と対策”をご覧下さい。私たちは農薬に重点を置いていますが、減反政策で田んぼが減ったこと、温暖化による環境の変化、湿田の乾田化等の影響もあると思われます。

A;7月~9月の夏の間は標高800m以上の高い山の上で見ることが出来ます。彼らは7月ぐらいに田んぼで羽化するとすぐにそういう高い山の上を目指して移動する習性があります。例えば、氷ノ山の標高1,100mぐらいの所に大段ケ平(おおだんがなる)という広場があります。7月下旬~9月はここへ行くとたくさんのアキアカネが見られます。
10月中旬~11月には平野部でも見られるようになります。ただ、総数が減っている為、高い山に比較的近い宍粟市等では見られますが、たつの市ではあまり見かけられません。

A;本当です。隣の宍粟市では、水たまりの所でかなりの数のアキアカネのツガイが見られます。彼らは交尾して産卵する為に田んぼなどにある浅い水たまりにやってきます。たつの市でも水たまりを作っていたらかなりの確率でやってきますので実際にやられることをお勧めします。

A;秋、つまり10月の稲刈り後に田んぼに浅い水たまりを作ったら、そこへアキアカネのツガイがやって来て産卵する可能性があります。しかし、それが翌年になって羽化したかどうかを確認するのは大変難しいと思います。もしたつの市の方なら、私たちが飼育カゴと卵をお渡しして羽化させるお手伝いをさせて頂くことは不可能ではないと思います。

A; アキアカネは秋に田んぼの浅い水たまりなどに産卵します。産卵後は冬になり、卵は水に浸かった状態、或いは乾いてしまっているかもしれませんが、そのまま越冬します。そして春の田植えの水が入ったら孵化してヤゴになり、田んぼの水中にいるミジンコなどを食べて成長し、約2ヵ月後に羽化します。つまり、11月~7月の約9ヵ月間田んぼの中で過ごすのです。
お米は田植えの時に植えられ、水や肥料を吸収して成長し、実はお米として実り、私たちはそれを収穫します。ですから、アキアカネが生育出来る水環境で栽培されたお米は、より安全で、より安心出来るお米だと言えます。

A;無農薬だと、雑草がどんどん増え、虫も色んなものが増えます。それらを機械で簡単に除去出来れば良いのですが、かなり手で取り除く必要があります。アキアカネを復活させる方法の1つとして考えられますが、今の農家の方々にそのような手作業を強いるのは酷だと思います。仮にそのような手作業が出来なかった場合、虫だらけ、雑穀だらけの米になってしまいます。”そういうお米でも私は食べるよ”とおっしゃるのは簡単ですが、本当に食べて頂けるのでしょうか? 私たちは農家の方に極端な負担をかけるのは良くないと思っています。しかしアキアカネも生育出来る安全・安心なコメ作りも大事ですので、現実的な方法を取っているつもりです。

A;現在主に使われている従来農薬の田んぼでは、水生生物はかなり減っています。例えばカブトエビなどは昔はたくさんいましたが今はほとんど見られません。しかし、私たちの農法の田んぼではかなりいます。また、昨年は、従来農薬の田んぼと私たちの農法の田んぼの水生生物の調査を行ないました。その結果、数、種類とも後者の田んぼの方が多いという結果が出ました。

稲作をする場合はこの農法をお勧めします。しかし、これ以外の方法ということであれば、休耕田にされる場合、稲のように水を必要とする作物、例えば.”マコモダケ”などを植えたら、稲作と同じように水を張りますので、アキアカネが生育出来ます。また、休耕したまま何も植えない場合は、秋に水たまりを作り、春の田植えの時期に水を入れてやるとアキアカネが孵化し、さらに羽化までたどり着く可能性があります。現に、私たちの実験施設であるトンボ池では56匹の自然羽化が確認出来ました。

確かにネオニコチノイド系の農薬です。また殺傷能力も高いです。それなのに、なぜ羽化するのでしょうか?実は、農薬のメーカーに確認しましたら、薬の効果を長く効くようにする為、製剤の時に表面を薄い膜で包んでいるということが分かりました。つまり、ストレートに効かせるのではなく、3段階ぐらいに徐々に中の成分が溶けて出るようオブラートに包んでいるような状態だということです。ですから、アキアカネの幼虫にとっては致死量ではなく、生育出来る範囲、つまり生命力の方が勝っている状態なので羽化まで生育出来るのだと思われます。

トンボ池では今は次のようなことをやっています。

①赤トンボハウス;トロ箱にアキアカネの卵を入れて羽化させる。

②赤トンボ飼育田;田植えの水を入れる時期と田植えの時期の比較実験(5月水入れ、6月田植え等)

③休耕田実験場;休耕になった場合に稲と同じように水を使う植物の栽培テスト(マコモダケ等)

④自然羽化観察エリア;マコモダケの田んぼの水をオーバーフローさせて、休耕の場所でも実際に羽化することを証明しています。

⑤ミジンコハウス;アキアカネのエサにするミジンコを飼育しています。

いつでも歓迎しますが、常時人がいる訳ではありませんので、事前にお電話頂けたらご案内します。電話は080-5343-7461前田まで。 なお、7月中は羽化したてのアキアカネを観察出来る時期ですので、火曜日と土曜日の9:30~12:00は当会の者が駐在している予定です。出来ましたら、事前にご予約下さい。

NPO法人たつの・赤トンボを増やそう会はどなたでも参加出来ますのでお電話下さい(前田080-5343-7461)。アキアカネを増やす実験だけでなく、子供たちと一緒に稲作体験や一般の方を対象とした日帰りツアーなども企画、実施しています。会員になられたら自らが企画したり出来ますが、会員にならなくてもこのようなことのお手伝い頂ける方は大歓迎です。なお、たつの赤とんぼ米研究会は農法や米の管理の問題がありますので、それらを考慮して個別にご相談することとなります。

たつの赤とんぼ米研究会とNPO法人たつの・赤トンボを増やそう会は兄弟関係にあります。また両方に属しているものもあり、お互いに協力し合っています。役割としては、NPO法人たつの・赤トンボを増やそう会が農薬や農法のテストを受け持ち、たつの赤とんぼ米研究会は、それらの実戦部隊です。

たつの赤とんぼ米は”たつの赤とんぼ米の概要”のページに記載しているお店で買うことが出来ます。勿論、このサイトでご注文して頂いても結構です。

自分たちが言うのもおこがましいのですが、食べられた子供さんから”こんなにおいしいお米、初めてや!”というお声を何人もお聞きしています。

なぜ美味しいのか?ですが、元々この地域(中垣内地区)のお米は美味しいという定評がありました。さらに、ひょうご推奨ブランドの基準を満たすようにしたことでより美味しくなったと思われます。

この農法での田んぼの羽化数は、一昨年39匹、昨年68匹でしたので、今年は何とか80匹を超えるようにしたいと思っています。
また、たつの赤とんぼ米の販売については、さらに積極的にPR活動を行ない、アキアカネを復活させるために皆様方のご協力をお願いしつつ、拡販に努めたいと考えています。

たつの赤とんぼ米の拡販は、参加農家の意欲を高め、参加農家が増えます。参加農家が増えると、アキアカネが生育しやすい田んぼが増えます。さらに、そのような田んぼの面積が増えると、アキアカネも増えていくと思われます。